2008-10-28
第12回「バホト マザー アーヤー」
すっかり放置していたヒンディー語講座。
もう記憶の彼方に忘れ去られていたかもしませんが、
1つだけ残っていた最終回をレポートして締めたいと思います。
なぜ今頃突然?
とお思いの方もいらっしゃるでしょうね。
というのも、今日はインド最大のお祭り「ディワーリー」だからなのです。
この最終回もディワーリーにまつわるトピックで、おそらく昨年のディワーリーの頃に
撮影されたのだと推察されます。
ちなみに昨年のディワーリーは11月9日でした。
今年は、明日10月29日がインドの暦の「カールティカ月」白分(月が満ちる半月)第1日目、
つまり新月の日です。
日本の旧暦ですと、十月朔日(ついたち)にあたります。
新月の日の晩は、既に月は満ち初めてしまうため、
その直前の一番闇の濃い晩に、ギーのランプで灯明を灯して、
富と財産の女神「ラクシュミー」をお迎えするのだそうです。
このディワーリーの日はまた、インドの会社などにとって、商売の節目となっています。
この日を境に、会計年度を改めたり、古い帳簿を締めて新しくしたりするそうです。
以前、テレビの番組で、ディワーリーのお祭りに古い帳簿を破って
紙吹雪の如く撒き散らしているのを見たことがあります。
(もしかして記憶違いでディワーリーではなかったらごめんなさい)
日本のお正月のように、インドでは家族が集まりディワーリーのお祭りをお祝いします。
ヒンディー語講座最終回では、そんなお祝いの様子を見ることができます。
さて、では番組を見ながら話を進めたいと思います。
まずタイトルの「バホト マザー アーヤー」とは、「とてもおいしかったです」という意味です。
いったい何がおいしかったのでしょうか?
それは、これからわかります。
まず画面は、ディワーリーの買い物客でごった返す街の様子から始まります。
日本で言えば、年末のアメ横と言ったところでしょうか?
番組では「ディーパーヴァリー」といっています。
「ディーパーヴァリー」は、サンスクリット語で、
ディーパ(光・灯明)+アーヴァリー(連続)→光の列という意味の複合語です。
これが、現代では転訛して「ディワーリー」と呼ばれるようになりました。
街で最もにぎわう店は、ラクシュミーの像を売っている店だとナレーションが入ります。
画面に映っているのは、彩色を施された素焼きのラクシュミー像の数々です。
また、服を新調したり、友人や家族とプレゼントの交換をしたりするので
皆さん手に手に大きな荷物を持って、買い物に余念がありません。
番組の案内人であるナミターさんは、ご主人と実家にお祝いに向かいます。
ご主人はアビシェークさんとおっしゃるのですが、
このお名前はよくインド人男性の名前として耳にすることがよくあります。
サンスクリット語の「アビシェーカ」のヒンディー読みで、「灌頂」のことです。
アビシェーカとは古代インドの王の即位式などで四大海の水を登頂に注ぐ儀礼のことで、
今でも水による清めの儀式として行われています。
日本でも、神社仏閣にお参りする際には、まず手や口を水で漱ぎますが
意外とそのルーツはこのアビシェーカにあるのかもしれません。(違うかもしれませんが)
この若い夫婦は、家に入りお父さんにまずご挨拶をします。
その時、一瞬ですがご主人の方がひざまずいて、お父さんとお母さんの足に触れます。
これは、最上級の敬意を表す挨拶で、自分より目上の人や身分の高い人、
尊敬する人に対して行います。
よく古典文学などに「蓮華の御足に敬礼」という表現がありますが、
現代でもこのように生きている所作なのです。
家の中には、祭壇が設けられラクシュミーとガネーシャの像が並んで置かれています。
その前では僧侶がマントラを唱えてプージャー(供養)を行っています。
富の象徴としての銀のコインをミルクで清め、来る1年の繁栄をお祈りします。
ミルク、ヨーグルト、ギー、蜂蜜、砂糖の5種類は「パンチャアムリタ」と呼ばれ
神聖な食べ物とされています。
家中にイルミネーションを飾ったり、伝統的なギーのランプを灯したりして
一晩中灯りを絶やさないのだそうです。
また、ラクシュミーを招き入れるために、家のドアは開けておくと、ナレーションで説明しています。
きっと今頃、インドでは光を灯して盛大にお祝いをしているところでしょうね。
さて、場面は家族揃ってお祝いのお食事です。
メニューは「アールー・ダム(じゃがいものカレー)」、
「マタル・パニール(グリーンピースとチーズのカレー)」
「ダヒー・バラー(団子のヨーグルトソース)」
チャパティーを油で揚げた「プーリー」
すべて、お母さんの手作りだそうです。
あ〜、うまそーーーーです。
お母さんは揚げたてのプーリーを運んできて「もう一枚どう?」と勧めます。
それに対して案内人は「バス、ボホットカーヤー」(もういいわ、たくさん食べたわ)と答えます。
お母さんはさらに、マタル・パニールも勧めます。
そこでお腹がいっぱいの案内人による今日のフレーズです。
バス、バス。 ペートバルガヤー (もういいです。お腹がいっぱい。)
「バホト マザー アーヤー」 とてもおいしかったです。
いちおう上記はテキストのカタカナ表記ですが、私の耳には
ボホット マジャー アーヤー
と聞こえました。
ボホット とても
マージャー 楽しみ
アーヤー 来た
楽しみが来た → おいしかった
「バス、バス」は覚えておくと便利な言葉だと思います。
インド人はお皿が空になるとすかさずお代わりを勧めてきますが、
それは、客人をもてなすことが彼らにとっての礼儀なのです。
小心の日本人は断りきれずに、どんどん盛られるということがありがちだと思います。
もうお腹いっぱいでお代わりを欲しくなければ、器の上に手をかざして
「バスバス」といえば、必要以上に盛られる心配はありません。
その時一緒に、今日のフレーズを使えば相手にも気を悪くさせることはないでしょう。
夕食のあとは、外に出て花火を楽しむ様子が映し出されています。
これで、12回に渡ったヒンディー語講座は終わりとなります。
筆者のきまぐれにお付き合いくださいましてありがとうございました。
この番組は、今年の2月と3月にNHK教育テレビで放送されていたものです。
この「アジア語楽紀行」というシリーズは、他の言語も何回も再放送されていて、
10月と11月はネパール語を放送しています。
ネパール語は、ヒンディーやサンスクリットと同じ「デーヴァーナーガリー」文字を使いますが
読み方が違うようです。(私はネパール語は全くわからないのでなんともいえませんが)
似ているところもあるみたいなので、興味がある方はご覧になってはいかがでしょうか?
きっとヒンディー語も、そのうち再放送されることでしょう。
その際にはぜひこのブログを思い出していただければ
これほど嬉しいことはありません。
というわけで、12回シリーズをなんとか終了することができました。
ありがとうございました。
ナマステー & ハッピーディワーリー!
もう記憶の彼方に忘れ去られていたかもしませんが、
1つだけ残っていた最終回をレポートして締めたいと思います。
なぜ今頃突然?
とお思いの方もいらっしゃるでしょうね。
というのも、今日はインド最大のお祭り「ディワーリー」だからなのです。
この最終回もディワーリーにまつわるトピックで、おそらく昨年のディワーリーの頃に
撮影されたのだと推察されます。
ちなみに昨年のディワーリーは11月9日でした。
今年は、明日10月29日がインドの暦の「カールティカ月」白分(月が満ちる半月)第1日目、
つまり新月の日です。
日本の旧暦ですと、十月朔日(ついたち)にあたります。
新月の日の晩は、既に月は満ち初めてしまうため、
その直前の一番闇の濃い晩に、ギーのランプで灯明を灯して、
富と財産の女神「ラクシュミー」をお迎えするのだそうです。
このディワーリーの日はまた、インドの会社などにとって、商売の節目となっています。
この日を境に、会計年度を改めたり、古い帳簿を締めて新しくしたりするそうです。
以前、テレビの番組で、ディワーリーのお祭りに古い帳簿を破って
紙吹雪の如く撒き散らしているのを見たことがあります。
(もしかして記憶違いでディワーリーではなかったらごめんなさい)
日本のお正月のように、インドでは家族が集まりディワーリーのお祭りをお祝いします。
ヒンディー語講座最終回では、そんなお祝いの様子を見ることができます。
さて、では番組を見ながら話を進めたいと思います。
まずタイトルの「バホト マザー アーヤー」とは、「とてもおいしかったです」という意味です。
いったい何がおいしかったのでしょうか?
それは、これからわかります。
まず画面は、ディワーリーの買い物客でごった返す街の様子から始まります。
日本で言えば、年末のアメ横と言ったところでしょうか?
番組では「ディーパーヴァリー」といっています。
「ディーパーヴァリー」は、サンスクリット語で、
ディーパ(光・灯明)+アーヴァリー(連続)→光の列という意味の複合語です。
これが、現代では転訛して「ディワーリー」と呼ばれるようになりました。
街で最もにぎわう店は、ラクシュミーの像を売っている店だとナレーションが入ります。
画面に映っているのは、彩色を施された素焼きのラクシュミー像の数々です。
また、服を新調したり、友人や家族とプレゼントの交換をしたりするので
皆さん手に手に大きな荷物を持って、買い物に余念がありません。
番組の案内人であるナミターさんは、ご主人と実家にお祝いに向かいます。
ご主人はアビシェークさんとおっしゃるのですが、
このお名前はよくインド人男性の名前として耳にすることがよくあります。
サンスクリット語の「アビシェーカ」のヒンディー読みで、「灌頂」のことです。
アビシェーカとは古代インドの王の即位式などで四大海の水を登頂に注ぐ儀礼のことで、
今でも水による清めの儀式として行われています。
日本でも、神社仏閣にお参りする際には、まず手や口を水で漱ぎますが
意外とそのルーツはこのアビシェーカにあるのかもしれません。(違うかもしれませんが)
この若い夫婦は、家に入りお父さんにまずご挨拶をします。
その時、一瞬ですがご主人の方がひざまずいて、お父さんとお母さんの足に触れます。
これは、最上級の敬意を表す挨拶で、自分より目上の人や身分の高い人、
尊敬する人に対して行います。
よく古典文学などに「蓮華の御足に敬礼」という表現がありますが、
現代でもこのように生きている所作なのです。
家の中には、祭壇が設けられラクシュミーとガネーシャの像が並んで置かれています。
その前では僧侶がマントラを唱えてプージャー(供養)を行っています。
富の象徴としての銀のコインをミルクで清め、来る1年の繁栄をお祈りします。
ミルク、ヨーグルト、ギー、蜂蜜、砂糖の5種類は「パンチャアムリタ」と呼ばれ
神聖な食べ物とされています。
家中にイルミネーションを飾ったり、伝統的なギーのランプを灯したりして
一晩中灯りを絶やさないのだそうです。
また、ラクシュミーを招き入れるために、家のドアは開けておくと、ナレーションで説明しています。
きっと今頃、インドでは光を灯して盛大にお祝いをしているところでしょうね。
さて、場面は家族揃ってお祝いのお食事です。
メニューは「アールー・ダム(じゃがいものカレー)」、
「マタル・パニール(グリーンピースとチーズのカレー)」
「ダヒー・バラー(団子のヨーグルトソース)」
チャパティーを油で揚げた「プーリー」
すべて、お母さんの手作りだそうです。
あ〜、うまそーーーーです。
お母さんは揚げたてのプーリーを運んできて「もう一枚どう?」と勧めます。
それに対して案内人は「バス、ボホットカーヤー」(もういいわ、たくさん食べたわ)と答えます。
お母さんはさらに、マタル・パニールも勧めます。
そこでお腹がいっぱいの案内人による今日のフレーズです。
バス、バス。 ペートバルガヤー (もういいです。お腹がいっぱい。)
「バホト マザー アーヤー」 とてもおいしかったです。
いちおう上記はテキストのカタカナ表記ですが、私の耳には
ボホット マジャー アーヤー
と聞こえました。
ボホット とても
マージャー 楽しみ
アーヤー 来た
楽しみが来た → おいしかった
「バス、バス」は覚えておくと便利な言葉だと思います。
インド人はお皿が空になるとすかさずお代わりを勧めてきますが、
それは、客人をもてなすことが彼らにとっての礼儀なのです。
小心の日本人は断りきれずに、どんどん盛られるということがありがちだと思います。
もうお腹いっぱいでお代わりを欲しくなければ、器の上に手をかざして
「バスバス」といえば、必要以上に盛られる心配はありません。
その時一緒に、今日のフレーズを使えば相手にも気を悪くさせることはないでしょう。
夕食のあとは、外に出て花火を楽しむ様子が映し出されています。
これで、12回に渡ったヒンディー語講座は終わりとなります。
筆者のきまぐれにお付き合いくださいましてありがとうございました。
この番組は、今年の2月と3月にNHK教育テレビで放送されていたものです。
この「アジア語楽紀行」というシリーズは、他の言語も何回も再放送されていて、
10月と11月はネパール語を放送しています。
ネパール語は、ヒンディーやサンスクリットと同じ「デーヴァーナーガリー」文字を使いますが
読み方が違うようです。(私はネパール語は全くわからないのでなんともいえませんが)
似ているところもあるみたいなので、興味がある方はご覧になってはいかがでしょうか?
きっとヒンディー語も、そのうち再放送されることでしょう。
その際にはぜひこのブログを思い出していただければ
これほど嬉しいことはありません。
というわけで、12回シリーズをなんとか終了することができました。
ありがとうございました。
ナマステー & ハッピーディワーリー!

