2008-08-24

クリシュナ・ジャンマアシュタミー

インドでは、今年の8月24日がクリシュナの誕生日で祭日になっています。

「ジャンマ」とは誕生のことで、「アシュタミー」は8日目という意味です。
ヴィシュヌ神の8番目の化身といわれるクリシュナは、シュラーヴァナ又はバードラ月の
クリシュナパクシャ(黒分=月が欠ける半月)8日目に生まれたとされています。

シュラーヴァナとかバードラとは、日本で言えば睦月・如月・弥生…などのように、
古代からインドで使われている暦における月の呼称です。
これらの月は、雨期で現在の8月から9月にあたります。
月の運行を基にした暦のため、毎年日にちが変動します。

ジョーティシュに詳しい方の話によると、
正確には、23日の21:56からアシュタミーに入るということなので、
24日0:00が、記念すべきクリシュナの誕生となるわけです。

クリシュナの誕生物語については、以前に書いたことがあるのでこちら↓を参照してください。
http://tenjikuhathi.blog123.fc2.com/blog-entry-11.html

ベビークリシュナ


さて、ヴィシュヌ神の10の化身(聖典によっては24を数える場合もあり)の中で、
最も人気があるのは、7番目の化身であるラーマと8番目の化身のクリシュナです。

この2人は同じヴィシュヌの化身でありながら、対極的に描かれています。

誕生日については、ラーマはチャイトラ月シュクラパクシャ(白分=月が満ちる半月)の9日目、
クリシュナは、前述の通り、シュラーバナ又はバードラ月黒分8日目です。

ちなみにチャイトラ月はインドの季節では春にあたり、今年は4月14日がラーマナヴァミでした。
(偶然にも管理人の誕生日の翌日でした!)
ラーマは春に生まれ、クリシュナは雨期に生まれたということになります。

インドにおいて、9は完全な数字とされています。
9は1〜9までの数字の中で最大であり、9にどんな数字を掛けても最終的に9に帰結します。

ラーマはその人格が非常に完璧な人として描かれています。
ラーマとは、真実、道徳の具現化であり、正義と美徳の象徴であり、
理想的な息子、夫、そしてなにより理想の王。
まさに完全をあらわす「9」にふさわしい人物です。

それに対して、クリシュナの「8」は不完全をあらわしています。
クリシュナは、子どもの時からいたずらをして育ての母を困らせたり、
マーヤー(幻)を使って奇跡を起こします。

8という数字は横に倒すと∞となり、無限大をあらわしていますが、
どこから始まっても、線を辿っていくとまた同じところに戻ってしまい、
永遠に終わりがありません。
まるで、終わりのない輪廻を表わしているようでもあります。
(これは管理人の個人的な印象で、どこかに出典があるわけではありません)

生まれた時間も、ラーマは昼の12時、クリシュナは夜中の12時で対照的です。

生まれた場所は、ラーマが宮殿でダシャラタ王の長男として王子に生まれたのに対して
クリシュナは、牢獄で8人兄弟(といっても最初の6人は殺されましたが)として生まれ、
牛飼いの息子として村で育ちました。

ラーマの両親は父母一人ずつでしたが、クリシュナは実の両親と育ての両親の4人がいました。

ラーマの家系は、スーリヤヴァンシャ(太陽の家系)の子孫で、
クリシュナはチャンドラヴァンシャ(月の家系)の子孫です。

ラーマはシーターという妃(実はヴィシュヌの妃ラクシュミー女神の化身)1人を愛し続けたのに対し
クリシュナには16108人の妻がいたとされています。
(この数字は文字通り受け取らないでください。比喩的なものです)

また、常にヴィシュヌと共にいるアナンタ竜王(ヴィシュヌのベッドになっている蛇)は、
ラーマの時には弟ラクシュマナとして、クリシュナの時には兄バララーマとして
一緒にこの世に生を受けています。

ラーマとクリシュナ

これらの他にも、ラーマとクリシュナを対照させるとことごとく対極にあることがわかり
非常に興味深いのですが、とりあえずこの辺でやめておきます。

ラーマは人としてこうあるべき、というお手本のような「理想の人物」であり
クリシュナは、いたずら好きでハンサムでいろいろな奇蹟を起こす魅力的な人物である点が
インド人に人気の高い理由なのではないでしょうか。

このように、全く正反対の2人の人物は、
私たち人間の二面性の象徴であると、哲学的に解釈されているということです。

今頃インドでは、盛大にクリシュナの誕生日をお祝いしていることでしょう。

そしてこれからインドではお祭りシーズンに突入です。
雨期が終わるとインドでも秋の到来となるようです。
秋といえば、祭りの季節ですね

ガネーシャチャトゥルティー(ガネーシャの誕生日)
ナヴァラートリー
ドゥルガプージャー
ダシェラー
ディワリ

大きなものでもこれだけあるのですが、そのほかに地方独自の祭りなどもあり、
祭りじゃない日を探す方が難しいかも。
(インドの祭日についての元ネタはこちら↓)
http://hinduism.about.com/od/festivalsholidays/a/hindu_calendar.htm

2007-10-24

クリシュナ誕生物語

昔々。インドのマトゥーラにカンサという名の王様がおりました。
カンサ王にはデーヴァキーという従妹がおり、彼女はヴァスデーヴァという男性と結婚しました。
2人の結婚式が終わり、カンサ王が自ら御者として
新郎新婦を馬車で新居に送り届ける途中、天から
「お前の従妹デーヴァキーの8番目の息子が、お前を滅ぼすだろう」
という声が聞こえました。
そこで、カンサ王は今彼女を殺せば永遠に子供は生まれないから、
8番目の息子に殺されることもないと考え、デーヴァキーに手をかけようとしました。
夫のヴァスデーヴァは、王を殺すのは彼女ではない、
生まれた子供は殺してもいいから彼女を殺さないでくれ、
とカンサ王に懇願し、彼女は一命をとりとめました。
しかし、王は2人を自分の監視下に置き、生まれた子供は即座に殺すために
従妹夫婦を牢獄に幽閉したのでした。

牢獄の中で、デーヴァキーは毎年子供を生みました。
カンサ王は牢獄にやってきてはそれらの子供を即座に殺していきました。
6人子供が産まれ、みんな殺されました。

7番目の子供は、神の恩寵により別の女性を代理母として生まれました。
この子はバララーマで、後にクリシュナと行動を共にすることになります。

そして、いよいよ8番目の子供が生まれる日がやってきました。
ヴィシュヌ神が人間の姿をしてこの世に生を受けたのです。
真夜中の12時、ヴィシュヌの化身クリシュナが誕生したとき、奇跡は起こりました。

なんと、すべての看守が眠りこけて、牢獄の扉が自動的に開いたのです。
そのとき天の声がしました。
「この子を連れてゴクラの町に住んでいる友人のナンダとその妻ヤショーダのところに行け。
そして彼らの生まれたばかりの女の子とこっそり交換してきなさい。
この子はこの世を悪から救うために生まれてきたのだ。」

ゴクラは、ヤムナー川の向こう岸の町だったので、
ヴァスデーヴァは生まれたばかりのクリシュナをかごに入れて、頭の上に捧げ持ち
川の中に入っていきました。
おりしも雨季のため川の水位はどんどん上昇していきます。
実はクリシュナの祝福を受けたいヤムナー女神がクリシュナの足に触れたくて
水位を上げていったのでした。
そこで、クリシュナはヤムナー女神を満足させるため自ら足をかごから出して、
ヤムナー川の水に触れるや否や、川は急に2つに分かれてヴァスデーヴァの行く手に道ができ、
向こう岸まで歩いて渡ることができたのでした。

ゴクラの町に着き、友人のナンダの家に行きました。
ナンダも妻のヤショーダもぐっすりと眠っていて、
その傍らには生まれたばかりの女の子がおりました。

ヴァスデーヴァは急いで女の子とクリシュナを取替え、
もと来た道をマトゥラーに向かって戻っていきました。

ヴァスデーヴァが牢獄にもどるのを待っていたかのように、扉は閉じ、
看守たちは目を覚ましました。
そして、デーヴァキーの横に寝かされている子供を見つけて王に報告しました。
カンサ王はあわててやってきて、こどもを取り上げると壁に向かって投げつけました。
すると、いきなり女の子は天に昇り、天からは神々しい声が聞こえてきました。
「カンサよ、お前を滅ぼすものは既にこの世に生まれ、どこかで健在である。」
そして、笑い声と共にデーヴィー(女神)の姿を現しました。

こうして、クリシュナはこの世に生まれ、
育ての親ナンダとヤショーダによって大事に育てられたのでした。

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この記事は、クリシュナ誕生祭にあわせて他ブログにて公開したものです。

2007-10-22

シャクンタラー物語

シャクンタラー物語は、「マハーバーラタ」第1巻第62章〜69章に収録されている。
「マハーバーラタ」の中心人物たち、パーンダヴァの5王子とカウラヴァ100王子たち
(彼らは従兄弟同士でありながら複雑な経緯で大戦争になる)の家系の起源について、
彼らの子孫であるジャナメージャヤ王に請われて、聖仙が語った物語である。

*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*

昔々、ドゥフシャンタという非常に強力な王がいた。
彼は無敵で、広大な領地を持ち、人民を保護し、
彼の治世には盗み、飢え、病気などの恐れも無く、穀物は豊穣に実り、
人民はみな幸せに暮らしていた。

ある日、王は軍隊を率いて森へ行った。
その森で、王と戦士たちは森の動物たちを狩り、多くの動物たちを殺した。
鹿狩りに熱中していた王は、いつのまにか別の森に迷い込んでしまった。
付き従っていた兵士や乗り物たちともはぐれてしまい、王は一人でさまよっていた。
そして、また別の森に入っていった。
その森は、広々として鳥がさえずり、樹々には花が咲き誇り、風は涼しく、
風に揺られた枝々からは花びらの雨が降り注ぎ、甘い香りに満ちていた。

王は、その森に住む聖仙に会おうと思い、その聖者の隠棲所に向かった。
しかし、聖者は留守をしていて、そこにはいなかった。
声をかけると美しい娘が出てきて、王をもてなした。この娘の名前がシャクンタラーである。

あなたは誰か、という王の問いかけに、シャクンタラーは、自分は聖者の娘であるが、
実は別の聖者王仙ヴィシュワミトラと、彼の苦行を邪魔したいインドラ神の命令により
彼を誘惑しにきた天女メーナカーの間に生まれ、この聖仙に育てられたのだ、
という話を王に打ち明けた。

この話を聞いて、喜んだ王はシャクンタラーにプロポーズをした。
王仙(もともと王族〜クシャトリヤ〜であったが苦行を重ね聖者になった人)の娘なら
同じ王族であり、自由恋愛による結婚は王族にとって最上とされているからである。

彼女は、その申し出を受けるにあたり、彼女が生んだ息子を後継ぎにしてくれるよう、
王に条件を出した。
王はその条件を受け入れ、シャクンタラーも自分の都に迎えることを約束して、
2人は結ばれた。

しばらく時を過ごした王は、彼女をいずれ王宮に招き入れることを約束して、
自分の都に出発した。

シャクンタラーは、その後息子を出産した。その子はすくすくと成長した。
6歳になったばかりの頃には、既に体も大きく力も強く、
虎や象などの動物を飼いならし遊べるほど、神の子のように栄光に満ちていた。

養父の聖者は、この頃シャクンタラーと息子を、
夫であるドゥフシャンタ王の元へ行くように勧めた。
そこで、彼女は息子を連れ、森を出て王の都へ行った。

都で王に面会し、息子を引き合わせたシャクンタラーに、王は思いがけない言葉を放った。
王は、彼女に会った事もないし、関係をもった覚えもない。
そのような子供も知らないと言い、彼女をうそつき女で卑しい苦行女と貶めた。

怒りに震えたシャクンタラーは、
結婚に於ける法(ダルマ)、妻と夫がお互いに果たすべき義務、息子の重要性、
自分が高貴の出自であることを切々と説き、王のつれない態度、王としての不徳、
不真実を非難した。

シャクンタラーがついに王を見限って、故郷の森に帰ろうとしたそのとき、
姿の見えない声がした。
そこには司祭、僧侶、大臣なども王を囲んで集まっていた。

その声は、王に対しシャクンタラーの息子は真実、王の子であるため、
彼はその子を養育しなければならないと告げた。
神々によって、シャクンタラーと息子の正当性が認められたのである。

実は王はその言葉を待っていた。
王は喜んで息子を受け入れ、シャクンタラーに心にも無いことを言った非礼を詫びた。
王は最初から認めていたのである。しかし、彼女との関係は人知れずなされたため
無条件で受け入れては世間の人々に疑いが生じる。
そこで、王は何とか彼女の身の証をたて、息子共々公に認められることを望んでいたのである。

晴れて、シャクンタラーはドゥフシャンタの王妃として、またその息子は皇太子に即位した。
この息子の名前がバラタといい、成人し父のあとを継ぎ、最高の王となった。
バラタという名前の由来は、神々が
「その子は汝(父王)に養育されるべき(バルタヴィヤ)であるから『バラタ』と名づけよ」
と語ったことからである。

このバラタが、バーラタ族の祖であり、バーラタとはバラタの家系という意味である。
この一族からは、神のような強力で栄光に満ち、偉大な王が数多く出て、
長い年月を経てパーンダヴァとカウラヴァが登場してくるのである。

*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*

以上は、マハーバーラタ(参考文献:ちくま学芸文庫「マハーバーラタI」)からの抜粋である。
後年、これを題材として詩聖カーリダーサは有名な戯曲「シャクンタラー姫」を書いた。
カーリダーサの方の物語は約束の指輪と呪詛をめぐる数奇な運命の恋愛劇となっている。
マハーバーラタで語られているのとはまた違った物語である。
(カーリダーサの方はまだ読んでいないので、ネット上でざっと調べただけです。)


原典訳マハーバーラタ〈1〉第1巻(1‐138章) (ちくま学芸文庫)原典訳マハーバーラタ〈1〉第1巻(1‐138章) (ちくま学芸文庫)
(2002/01)
上村 勝彦

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この記事は、他ブログから引っ越してきました。

2007-10-22

ダシェラ (ヴィジャヤ・ダシャミ) − 勝利の祭

ドゥルガー


昨日は、インドでダシェラという祭の日であった。
ヒンドゥー暦アシュヴィン月(9月〜10月)の10日目がこの祭りの日にあたる。
今年は10月11日の新月の次の日から数えて、昨日がちょうど10日目となる。

ラーマーヤナの物語の中で、
英雄ラーマ(主人公でヴィシュヌ神の第7番目の化身)の妃シーターは、
魔王ラーヴァナによって拉致されランカ島に連れ去られる。
そこでシーター妃を奪回するために、ラーマは弟ラクシュマナ、忠猿ハヌマーン、
ハヌマーン率いる猿の軍団とともに、ランカ島でラーヴァナと壮絶な戦いを繰り広げる。
ラーヴァナとの戦いは10日間に及び、最後はラーマ軍が勝利する。

この話にちなんで、ダシェラの前の9日間インド各地の町や村では、広場や劇場で
壮大なラーマーヤナの劇が連日上演される。
役者たちは豪華な衣装に身を包み、劇の前後には付近を練り歩く。
ラーヴァナの退治とシーターの救出で劇はクライマックスを迎え、最終日の10日目には、
巨大なラーヴァナの張りぼて人形に花火が仕掛けられ燃やされる。
これはラーマリーラーとして老若男女問わず人々の最高のお楽しみなのである。

ラーマはまた、ドゥルガーを信仰しており、9日間ドゥルガー女神に祈りを捧げ、
10日目に戦いにおいて勝利したといわれている。
この事から、ダシェラとは善が悪に打ち勝つ、勝利を宣言した日という意味もある。

一方、ベンガル地方ではドゥルガーの祭りである。
ドゥルガー女神が水牛の姿をした悪魔マヒシャアスラを殺した日としてお祭りが行われる。
こちらはドゥルガープージャとも呼ばれている。

その前の9日間にはナヴァラートリーという前夜祭が行われ、ドゥルガー、サラスヴァティー、
ラクシュミーなどに祈りが捧げられる。
最終日の10日目には、土や紙で作られたドゥルガーの像を町中引き回し、
ガンジス河に流して祭りを締めくくる。
この祭りは特に女性の力(シャクティ)を重要視するお祭りである。

いずれも善が悪に勝利した日として、ヒンドゥー教徒にとっては大事な祭りである。
また、春のホーリー、晩秋のディワリと共に、
インド全土で祝われる主要な祭りの一つとなっている。

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この記事は、他ブログから引越し、日付などは今年用に修正しました。

2007-10-21

ヒンドゥー三大神とその妃

インド好き、ヒンドゥー好きの方なら、既にご存知のように
インドの三大神といわれている、お三方にはそれぞれ美しい妃がいらっしゃいます。

創造の神ブラフマーにはサラスヴァティー。
維持の神ヴィシュヌにはラクシュミー。
破壊の神シヴァにはパールヴァティー。

では、なぜこのような組み合わせなのか?

ブラフマーとラクシュミー
ヴィシュヌとパールヴァティー
シヴァとサラスヴァティー

またはその他の組み合わせにならないのはなぜなのでしょうか?

彼らが結婚したいきさつは、神話上ではこのように言われています。

★ブラフマー&サラスヴァティー
「ブラフマーは、サラスヴァティーを自ら創造したが、あまりの美しさに夢中になってしまった。
いつでも彼女を見ていたいので彼女が逃げる方向に顔を増やしていき、
四方を見るために顔が4つになった。
あまりのしつこさに空中に逃げたサラスヴァティーを追ってブラフマーに5つ目の顔ができたとき、
もう逃げられないと悟り彼の妻となった。」
(管理人の本館サイト内「天竺迦羅倶利庵」より)

★ヴィシュヌ&ラクシュミー
神々とアスラが、不死の霊薬アムリタ(甘露)を求めて海を攪拌した。
あまりに激しく攪拌したために、海の水は乳となった。
その乳の海をさらに攪拌し続けると、そこから太陽が生じ、月が生じ、
続いて白衣を着たシュリー(吉祥天=ラクシュミーのこと)が生じた。
その後も酒の女神、白い馬、宝珠が生じ、最後に壺に入ったアムリタが現れた。
(以上、ちくま学芸文庫「原典訳マハーバーラタ」を要約)
このとき生まれた美しいシュリー(ラクシュミー)をヴィシュヌが妃にしたといわれている。

★シヴァ&パールヴァティ
パールヴァティは、ヒマーラヤの娘として生まれたが、
実は前世において夫に対する父の無理解さゆえ火に身を投げたシヴァの妃サティーであった。
年頃になったパールヴァティは、シヴァの心を射止めるために激しい苦行を行った。
その苦行に満足したシヴァとめでたく結婚することができたのである。
(インド神話コミックス「Shiva Parvati」を要約)

神話だけを読むと、別に相手が入れ替わってもいいんじゃないの?と思えるかもしれません。

しかし、彼らの組み合わせにはちゃーんと、意味があるのです。
この組み合わせでなければ、それぞれの神様は自分の仕事ができません。

では、一組ずつ見ることにしましょう。

★ブラフマー&サラスヴァティー
ブラフマーは上にも書いたとおり、創造神です。
そして、サラスヴァティーは、ふつうは芸術、芸能の女神といわれています。
しかし、その他にも学問の女神という面も持っています。
その手には、ヴェーダ(知識の書)が握られています。
サラスヴァティーはその知識(智慧)と、芸術などに必要なクリエイティヴィティによって
ブラフマーが宇宙を創造する仕事を、サポートしています。

★ヴィシュヌ&ラクシュミー
ヴィシュヌは宇宙を維持します。
ラクシュミーは富と財産の女神です。
物事を維持するためにはお金が必要です。はい。維持費という言葉もありますね。
ラクシュミーはその右手から、際限なく金貨を出し続けています。
ヴィシュヌはそのお金をふんだんに使って、宇宙を維持することができます。
ラクシュミーは、その財力で夫の仕事を支えているんです。

★シヴァ&パールヴァティ
シヴァは破壊する神です。
パールヴァティは、力の女神ドゥルガーやその分身であるカーリーとも同一視されています。
破壊するためには力が必要です。
ですから、サラスヴァティーのクリエイテヴィティやラクシュミーの財力は
シヴァの妃としての役にたちません。

というわけで、彼らの組み合わせは理にかなっているというお話でした。

シヴァとパールヴァティ

シヴァとパールヴァティ


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この記事は、他ブログから引っ越してきました。
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は〜てぃ

Author:は〜てぃ
インドにかかわること十数年。
HP「天竺迦羅倶利庵」管理人。

風の向くまま、気の向くまま
天竺をふらりと彷徨うかのような
気まぐれなブログですが
どうか、お付き合いくださいませ。

★開設当初の日記は、
他ブログからの引越しも含みます★

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